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デキる男は知っている。男の品格をあげるビジネスマナー


印象を際立たせる男子のスタイルとは

武士は野暮用であっても絶対に袴を付けなくてはなりませんでした。その理由は、袴の前には五ツ襞が後には一本の襞があるからです。

前にある五ツ襞は儒教の教えである人が守るべき五つの道、「君主の義・父子の親・夫婦の別・長幼の序・朋友の信」。そして「仁・義・礼・智・信」の五つ徳を表しています。後ろの一本の襞は二心のない誠を表し、いかなる時いかなる場所でもこの教えを貫くのと、自分に言い聞かせているのです。

何か一つ心に決め、日々自分と向き合い戦っていた武士の魂に共感することが沢山あります。生き方や考え方、また服装でも自分のスタイルを決めて貫くということを是非真似したいです。

男子の身だしなみの基本

おしゃれと身だしなみは違います。「身だしなみ」は人の目が基準ですが、「おしゃれ」は自分の目が基準になります。

身だしなみは「清潔感」「信頼感」「安心感」など人の目が決めるものです。対して、おしゃれは自分に似合うもの、流行しているもの、好きなものから選ぶものです。つまり、おしゃれは自分のためにするものですが、身だしなみは人に不快感を与えないように、服装、言動、所作などを整え、その心がけを表します。

身だしなみは、仕事に取り組む姿勢や誠実さや謙虚さ、品格をも表現します。身だしなみのポイントは「清潔感がある」「周囲とバランスがとれている」「機能的である」があげられます。

身だしなみをしっかり整えることは、社会人に求められるビジネススキルです。多くの人に支えられ、関わりを持って仕事をするのですから、敬意の心が身だしなみとして表現されることが理想です。

ビジネスチャンスは一瞬です。第一印象というものは後々までひびきます。「見た目=身だしなみ」で第一印象をアップしましょう。「あの人だから仕事がしたい」と思ってもらいたいものです。

身だしなみの美しさの土台になるのが清潔感です。お寺や神社にお参りするときに、境内にある手水舎の水で手を洗い、口を濯ぎます。これはお清めです。手と口を清めることは心を清めることです。

このように、心と身体はつながっているという考え方から、清潔感に溢れる人は、心も清々しいという印象を与えます。

高価な服を着ていても、袖口や襟などが汚れていたら好感度は一気に下がります。細かい気配りが出来ないという評価です。清潔感という土台がしっかりしていないと、その上にいくら飾り立てても好印象にはなりません。まずは土台作りから始めることです。

クールビズ・ファッションの本当の意味

Dummy, isolated on white
Dummy, isolated on white

ここ数年、省エネ促進でクールビズ・ファッションがビジネスシーンに浸透しています。
私も場合によっては真夏でも長袖のスーツを着用することがあるので、蒸し暑い日本の夏にスーツで仕事をする厳しさは実感しているため、クールビス・ファッションは健康維持のためには必要と思うのですが、世界共通の概念では、ノージャケット、ノーネクタイは相手に対する敬意が欠けているとし、ビジネスではマナー違反となっています。

ジャケットと長袖のYシャツとネクタイを着用することがビジネスの基本で正式な服装です。これ以下は全て略式だと心得てください。Yシャツというのはもともとヨーロッパでは下着として扱われ、そのため、Yシャツを見せる分量が多いほど格が下がる装いになるということも覚えておきましょう。

ですから、ジャケットもネクタイも着用せず、半袖で素肌が出ている服装は、ビジネスの場では最も格が下ということが理解出来ます。格下の服装なので上位者や初対面の人の前では失礼にあたり、重要な取引があるような場面では相応しくありません。

時代の流れや気候の変化で服装に対する考えも徐々に変っていますが、人を敬う心と気配りはいつの世も変わりません。「ドレスダウンしない」が国際社会のルールです。

ジャケットを着ないクールビズの日だからこそ、シャツには少しでもこだわりを持って、いつもより上質で清潔なものをカッコよく着用してください。洗いざらしでヨレヨレのシャツで仕事に出掛けたり、襟や袖口の汚れた不潔なものは論外です。

男子力を上げる和服にチャレンジ

洋服では得られない心地よさが着物にはあります。「包み込まれる」ということではないでしょうか。

立体裁断の洋服は「形」の中に自分を入れて着るのに対して、着物は直線裁断なので身体に合わせて包むように着るという違いがあります。着物はほどいて容易に仕立て直すことが可能です。大切に着れば、二代、三代にわたり受け継ぐことも出来ます。着物は自分の身体に合わせて仕立てることで、身体を包み込む気持ち良さが体感でき、これが着物の魅力です。

洋服の場合は男女でボタンの位置が変わりますが、着物は男女共に右前です。右側が身体につくように着るのが着物の大前提です。右前に着る理由は諸説ありますが、奈良時代の「衣服令」の中の「初令天下百姓右襟」という一文が「右前」のいわれとされています。これは中国の思想の影響があり、左が右より上位とされ、高貴な人だけが左前を許されていたためです。

死装束を左前にするのは、人は亡くなると神や仏に近づき、貴人と同じ「位」に上がったので左前になったといわれています。また別の説は、古代中国で西方から襲ってきた民族の衣装が左前だったので、右前に変えたのがはじまりという説もあります。どちらにしても着物の歴史の中で日本人は右前を受け入れて来ました。

男性の着物は「腰で着る」といいます。角帯はお臍の下で締めるのが基本中の基本。横から見ると前が下がり、後ろ上がりの形が最も落ち着いて見えます。これは武士が刀を二本差し易いように考えられていて、前下がりにせず刀を差してみると、柄が上を向いてとっさの時に抜きずらいということからです。

角帯は実は4メートル以上もあります。その訳は武士の二本差しにあります。武士は大小の刀を腰に差すときに刀同士がぶつからないように、締めた帯の布と布との間に刀を差し、その刀がぐらつかないようにするために、計算されて生まれた長さなのです。

着物は大きく分けて三つに分類されます。木綿やウールで気軽に楽しめる「ふだん着」、センスと個性の見せどころの「おしゃれ着」、相手を敬い礼の心を表現しハレの日に装う「礼装」です。

・「ふだん着」 着流しで着ることが多く、木綿、麻、ウール、化学繊維が中心です。

・「おしゃれ着」 着流し姿の他に、きちんとした印象になる羽織姿、袴姿で、御召、縮緬等の正絹が基本。場合によっては木綿でもキメ細かい正絹の位置づけのものならば構いません。

・「礼装」 第一礼装と一般礼装があり、最も格式の高い第一礼装は黒羽二重、染め抜き五つ紋の紋付き羽織と長着に、仙台平の袴です。一般礼装では結婚披露宴やパーティーなどの目的に合わせて、紋の数や素材を自由に組み合わせて、招いてくれた相手に失礼のない心を着物で表現することが大切です。

日本男子なら誰でも着物が似合います。Tシャツ、Gパン、Yシャツ、スーツを着るように気軽に着物に触れ、男を上げる機会を作ってください。

 

▼男子たるものマナーを学びたい!という方に