ピンチのビジネスマン

失敗の責任を引き受ける覚悟、ピンチのときこそビジネスマンの度量が問われる


「お前のせいだ」と言わない

 

人の本当の姿が見えるのは、「ピンチ」のときではないでしょうか。

会社にとって一番のピンチといえば、倒産の危機に直面したときです。危なくなった会社の社長がどんな対応をできるかで、その人の真価を測ることができます。

 

ちょっと昔の話ですが、1997年11月、山一證券は3兆5千億円という巨額の負債を抱えて自主廃業しました。当時の野澤正平社長は、記者会見で「みんな自分たち経営陣が悪いんです、社員は悪くありません。どうか1人でも多くの再就職先が見つかるように応援してください」と号泣して謝罪しました。

山一證券の自主廃業は前経営陣による損失の不正な「飛ばし」が原因で、その年の8月に就任したばかりの野澤社長は、この実態を知らなかったといいます。にもかかわらず、会見で「責任はすべて自分たちにある、社員は悪くない」という姿を見せたことで、社長の評価は急上昇。職を失うことになった山一の社員たちにも、1万人の従業員数を上回る数の求人が殺到しました。

 

面接

 

野澤社長は会社の廃業で男を上げましたが、逆のケースもあります。

 

ある会社の経営が傾いて、民事再生法の適用を受けることになったときの話です。民事再生法とは、簡単に言えば倒産に近いのですが、「再生」という言葉のイメージは「破産」や「倒産」に比べればずいぶん明るいですね。その会社の社長さんはそれを明るくとりすぎてしまう人でした。

再生法の適用をを受けて、「さあこれから頑張ろう!」と、張り切っていました。ここまでは特に問題がなかったんです。

でも、会社の再生過程ではうまくいかないこともしばしば起こります。そんなとき弱音を一番吐いてはいけないのは社長なんです。でも、こんなときだからこそ、つい本音がでてしまいました。

 

「俺は悪くないんだ。そもそもお前たち従業員がしっかり仕事しないから、こんなことになっちゃったんだ」

 

この言葉を聞いた社員さんたちは、すーっと引いてしまいました。この段階で会社に残っているのは、「経営が苦しくなったのはわかってる、でも踏みとどまって頑張っていこう!」と決意していた社員さんばかりです。

そんな彼らも、社長のこの言葉を聞いて「ああ、そうですか」とどんどん会社から離れていってしまった。結局会社は再生できず、本当に破産してしまいました。

 

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