朝早くの誰もいないホーム

もっとも簡単な朝活、通勤電車での時間を活かす技術


通勤電車の技術

 

わたしは1時間前にはオフィスに着くようにしていた。理由は、たくさんある。

満員電車が大嫌い。同じ乗車賃を払ってぎゅうぎゅう詰めで運ばれる。車内では新聞1つ読めやしない。この間、ひたすら我慢するしかない。こんな生産性のないことはしたくない。

ほんの1時間早く乗るだけで空いているし、うまくいけば座れる。始発駅で乗れる人なら、1本待って次の電車にすれば座れるはずだ。座ればこっちのもの。通勤時間をなんでも自由に使える。

29歳の時に処女作を執筆したのだが、実はこの通勤時間をフル活用した賜物である。400字詰めのノートを車内に持ち込み、往復の通勤時間で仕上げたのである。自宅では、小さな子どももいたからとても原稿など書ける余裕はない。車内という狭い空間は意外と集中できる環境なのだ。ゴトンゴトンというリズムも脳を小気味よく刺激してくれる。

 

通勤電車のつり革

 

いまも車内で原稿をまとめることが少なくないが、この時の原体験がベースにあるのかもしれない。

通勤時間を新聞や読書、スケジュールチェックにあてることもいいが、なにか1つ、集中してやっつけなければならないテーマがあるなら、この時間を使ってみてはどうだろうか。

新聞や読書といった決まり切ったルーティンワークよりも、いつからはじめていつまでに終わらせるというテーマ・ワークのほうが通勤時間には向いている。なぜなら、時間が決まっているからだ。

ビジネスパーソンにとって、通勤は毎日のことである。

通勤時、朝早くの都心近郊駅

毎日続くことだけに、「この時間を有効に活用したい!」という人は少なくない。観察すると、次のような知的生産の時間にあてている人がほとんどのようである。

 

知的生産の通勤時間術

 

1)読書

これは多い。満員の車内でも、文庫ならなんとか読めるかもしれない。もし厚みのある本を読むなら、読む分だけ本を切り取って乗り込んでもいいだろう。そうすれば軽くなるし、かさばらない。「本を財産」と考える人には抵抗があるかもしれないが、本は考えたり、ひらめいたりする道具で、読んだら捨てるというタイプなら、ぜひトライしてみるといい。本当に残しておきたいほど惚れ込んだ本なら、もう1冊買えばいいではないか。

 

2)スマホとiPhone

わたしの趣味は落語である。学生時代から毎週、席亭に通っているほど、どっぶり浸かっている。それが高じて車内でも聞いている。だが、ビジネスパーソンで多いのは英語の勉強をしたり、講演を聴いたりすることだ。

時事問題に強くなるということは、大きな意味で社会のトレンドを深読みすることにつながる。マネジメント、マーケティング、経済論でも、一流の話を聞くことは、発想、考え方、思考スタイルを鍛えるにはもってこいだ。

 

3)中吊り広告

満員電車の中でも目だけきょろきょろ動かしてみたい。車内の吊り広告には、新刊雑誌の内容が大きく書いてある。これだけでもニュースの収集になるし、どんな情報がどの雑誌に掲載されているかがわかるから便利である。広告は新聞にも載っているが、新聞で雑誌の広告を見る人は出版業界の人でもなければあまり見ないものである。

 

4)人間観察

マン・ウォッチングである。いったいどんな本を読んでいるのか、どんな話題を話しているのか、耳をダンボにする。知人のシナリオ・ライターは会話の中から台詞を抽出している。これが習慣となると、会議中や折衝中に他の人が何をしゃべっているかまで聞き分けることができるようになる。聖徳太子もきっと、こうやって鍛えていたに違いない。もちろんファッションもじっくり観察したい。

もちろん、ぼんやり寝て過ごす人もいるはずだ。睡眠はすでにとっているはずにもかかわらず、読書も新聞、雑誌のチェックもする気がない。手持ちぶさただから寝てしまうわけである。

驚くことに、統計ではこんな「なにもしない」という人が3割はいる。3人に1人はオフィスに着くまでぼんやりしているわけだ。なんともったいないことをしているのだろう。そんなに脳を休めたところで、すばらしいアイデアがひらめくとはとうてい思えない。脳は使えば使うほど磨きがかかるのである。

この時間を知的生産に投資するか、それともなにもせずに浪費するかで、あなたの人生も大きく変わってくるにちがいない。

 

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